ドラマが終わる前にうっかりフライングしてしまいそうになる気持ちが零れ落ちてしまった「アンナチュラル」の感想と、今期ドラマのまとめ感想はこちらに。
※アンナチュラル以外の作品の感想はこちら
2018年1月-3月ドラマ 感想①

金曜ドラマ『アンナチュラル』

本当に毎話毎話面白かった。毎週、金曜日が楽しみだった。それが終わってしまったことが…悲しくて悲しくて仕方ない…。が、見ている間も、どう完結してくれるのかが楽しみで仕方がなかったので、最後まで素晴らしいストーリーだったことを考えると、本当に最高の作品でした。久しぶりにDVDかブルーレイBOXが欲しいと思いました。

最近では珍しく、早い段階で主人公である三澄ミコトの過去を描いていることが面白いと感じました。主人公の物語って、連続ドラマ内の軸となるストーリーになることが多いので、ほほぅ…と。まさか、最初は雰囲気がきつく、人間性に難ありだった中堂さんの物語が軸になるなんて、と思ったものですが、これははっきり言って大正解。
結果的に、一度も中堂さんを嫌いになることはなく、大好き!!「傍若無人のオラオラ男」見ている分には大好きです!!!

各話がどんなものを取り扱っているのかは、ぜひ作品を見ていただくとして。
1話完結というスタイルなので、必ずその話の終わりがドラマ一本見終えたときに着地してくれる。ただ終わるだけではなく、テーマに沿った終わりがそこには必ずある。その内容が、本当に刺さる。主題歌のLemonのかかるタイミングが、本当に絶妙で、何度泣かされたことでしょう。
特に、六郎の物語(第8話)のラストは、ボロボロ泣いてしまった。
前半の「解剖、ときどき恋」的な雰囲気は、話数が進むにつれて「謎、ときどき解剖」みたいになっていきましたが、それでもモヤモヤではなく、ドキドキとハラハラが止まらない展開に引き込まれて仕方がなかったです。

宍戸さんて、結局何者だったんでしょうね。
ペラペラと本当のことのように嘘をつく。
羽振りがよさそうに見えても、安い酒しか飲まない、部屋には何にもない。
過去の事件を追っていたのは間違いなくて、その犯人を見つけてしまうくらいに執着。犯人を見つけた後は接触して、話を聞いて、ずっと監視していた。
物語で描かれたことがすべてだとしても、それでも不思議だわ。刑務所の中と外に存在する、謎を共有する共犯者。
本が売れればそれでよかった?生きる伝説を自分が作り出した?…どちらにしろ、承認欲求があったのは、犯人だけでなく宍戸の中にもあったのは間違いないでしょうね。
だからこそ、何度も六郎を挑発したとしか思えない。そこに犯人を止めてもらうため、という意思はかけらもなかったのではないかと思う。きっと犯人へのアドバイスもしていたに違いないでしょうし。
最終的に捕まってしまったので、殺人幇助として裁かれるだろうとは思いますが、彼の真意は全くつかめませんでしたね。それでいいと思う。歪んだ思いが描かれても、それを理解する必要も理解を促す必要もないですから。

最終的にUIDラボが継続されて、本当に良かった。六郎が帰ってきてくれたのも嬉しかった。
ストーリーも展開も、役者さんも主題歌も、すべてにおいて素晴らしかった。
こんな素晴らしい作品が、どう作られていったのかも多く語られていて、それを聞くことができたのもとっても良かった。
撮影を始めるよりも前に脚本が全部上がっていて、その脚本も役者さんが決まったのちにあてがき的に書かれていたというエピソード。
撮影も主演の石原さとみさんが2月から主演舞台があるという都合上、その上演よりは前い撮影が完了していたというエピソード。
主題歌Lemonが米津さんの武道館ライブ(1/9?)の本番前に撮り直したというエピソード。最終話は視聴率が良かったことによる15分拡大スペシャルになって、ぎりぎりまで編集を行っていたが、もちろん撮影は終了しているから、すべて編集でどうにかしたに違いないというエピソード。。。

いやー…面白い。
まじで、15分拡大しなかったら、どのシーンがなくなっていたんだろう。
UDIのメンバーがとっても好き。ミコトのまっすぐさが好き。人も組織も魅力的に感じる作品でした。
音楽や効果音による緩急も実に効果的で、まさに総合芸術。

ドラマの外の動きもよかったです。
SNSを利用した告知もすごく力を入れていて、演者さんの写真も潤沢に用意して、良いタイミングでの配信だったように感じました。
そしてSNSでの情報発信というと、脚本を担当された野木さんの広報力は抜群でした!早い段階で、野木さんのツイッターアカウントをフォローできたのはすごくよかった。
おかげで素敵なファンアートをたくさん見ることができました。すんばらしいイラスト、マンガ、幸せでした。

と、いいつつも、やっぱり「描きたくなる作品」があってこそ、なのでやはりこのドラマが最高だったという結論にたどり着くわけです。

こんなことを書かれてしまったら、買うっきゃなーいー。
心からシーズン2を願います。ミコトと東海林のバカンスシーンからのスタートで!ぜひ!!
2018年始まったばかりですが、現状もっとも面白かったドラマ間違いなし!!
春も夏も秋も、楽しみだー。

今期の総評

今期のドラマは、予期せず他作品と関連する内容が多かったようにも思います。

●マスコミの持つ力
ファイナルカット:ワイドショー
アンナチュラル:週刊誌
99.9:週刊誌
自分と向き合って語る誰かよりも、報道されて認知された内容の方が信じられるというマスコミの影響力

●不条理
アンナチュラル:不条理な事件に巻き込まれたことにより訪れる死
99.9:法における不条理にさらされる被告人を守るための弁護士

●タイムリープ
トドメの接吻:キスをしたら、そのまま死亡→2週間巻き戻る
リピート:10か月単位でのタイムリープ。物語の軸。移動した場合、元いた世界がどうあるのかは語られず
※タイムリープなので、身体は移動せずに精神だけが時間を巻き戻る

●警察官だけど犯罪者
ファイナルカット:盗撮と脅迫
もみ消して冬:なんか、いろいろ

●被害者遺族からの冤罪被害者(およびその家族)への行動
アンナチュラル:糀谷さんパパ→中堂さん。中堂さんが犯人だと信じ、毎年命日には匿名の手紙(罪を償え)を送り続ける。中堂さんが犯人ではないと知り、謝罪する。
ファイナルカット:被害者となった少女のお母さん→中村慶介。慶介の母親が犯人でないと知り、慶介への謝罪。少女のお墓参りを一緒に行う。
99.9:被害者・美里の妹→深山。深山の父親を許してくれる。犯人は海外で死亡しており捕まらず、深山の父親の名誉が回復することはなかったけれど、真実はわかった。

そんな共通点を感じながら、それぞれの作品を楽しく見ました。
たまたま同時期に描かれたからなのか、そういうタイミングだったのか、何とも言えませんが、TBSラジオで放送された「アンナチュラル対談」で、脚本家の野木さんが語った「時代を描く」ことが、つまりこういった形で表れたとするなら、そういう時代なのだということなんでしょうね。(どういう時代なのかは言語化できませんけど)

見なかった作品のこともふんわり振り返り。
海月姫→1話だけ見ましたが、役者にあわせてキャラクターの設定を変更している点などは、全然よかったと思います。シンプルに、マンガも映画もすでに楽しんでいたので、ドラマはまぁいいか、と思ってしまったんですよね

隣の家族は青く見える→非常に個人的な話ですが、ストーリーがもう、絶対にモヤモヤするので避けました。きっと3年前くらいだったら見ていたかもしれません。

きみが心に棲みついた→学生時代にヒロインが受けたエピソードが強すぎて…。あとヒロインの思考回路がすごくて…1話だけ見て、私は離脱しました。全部見たら、そこまでモヤモヤするだけじゃないお話だったのかもしれませんが…そこまでは待てなかったー。

以上3作品以外は、なんでかまったく候補に挙がりませんでした。
例外はanone。これは、見ておけばよかったかもしれない…っと結構後悔。しかしこれもご縁ですよね。

来期のドラマも続々発表されているので、とりあえず「ブラックペアン」は楽しみ!「花のち晴れ」は見ない可能性大。「あなたには帰る家がある」はチェックしてから、ですね。日テレドラマは…どれも、そんなに惹かれていない…。とはいえ、いったん1話は見ることになりそう。フジは詐欺師、刑事もの、復讐鬼とサスペンス要素多め?かな?
テレ朝の「未解決の女」と「ミタゾノ」は見そう。

それではまた、三か月後にお会いしましょう。


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